The Maestro
ブランコはおそらくバリに暮らす芸術家のなかで最もその名を知られる有名な存在だろう。壮大なる彼のアトリエは、チャンプアン川を見渡す山頂に位置する。バリ建築のなかにも彼の母国であるスペインの雰囲気が感じられるこの華麗な建物には、彼の長いキャリアの中で移りかわっていく興味深い作品のコレクションが展示されている。生前のブランコには、毎日世界中から多くの人々が訪れていた。自分自身を「華麗なるブランコ」と呼んでいた創造性豊かな才能をもつ芸術家からは、強烈なカリスマ性があふれ出ていた。

歴史

Blanco Museum Historyブランコ・ルネッサンス美術館は、アントニオブランコの人生と夢を表現している。ウブドにあるチャンプアンのなだらかな丘の上にある彼の生前の自宅に建てられた美術館は1998年12月28日にオープンし、ユニークなロココ調が魅力的だ。素晴らしい建物はバリの暮らしが感じられ、ブランコの目を通してバリの世界をみることができる。ブランコはバリに対する愛を祝し、また大切な作品を保管するために美術館を建設した。20,000㎡もの敷地内はヒンズー教の教えに従って作られている。3階建ての建物はバリ人が信じる上段、中段、下段をシンボルとし、それぞれが神々、人間、悪魔の宿る場所を示している。美術館の最上階は、巨匠の深遠な作品類が展示されている。

イタリア製大理石を使った巨大なアーチウェイは高さが15メートル、エントランスの階段には2頭のドラゴンの石造が守り、神秘的な雰囲気を感じさせる。エントランスの正面にある噴水は宇宙へつながる海の使者をあらわしている。ペアになった階段は物質世界の2重性をシンボル化している。美術館の2階は中間世界をあらわした空間だ。ここにはアントニオブランコの詩が保管されている。

美術館ではまた、自然や目に見えない精霊の世界、また「ニスカラ」として知られる心の世界を表現している。インテリアはゴージャスで、窓はなく、素晴らしいステンドグラスをほどこしたドーム型の天井から自然の日の光がこぼれ落ちてくる。装飾が施された柱や豪華な鉄製のらせん階段や手すりなどからは、ブランコの芸術作品を一層もりたてる雰囲気が感じられる。ルネッサンス美術館は、ブランコの創り上げたファンタジーや彼自身の夢の世界に満ちている。この場所は、伝説が額におさまり、幻想を実感できるひとつの劇場なのだ。